桑原史成さん活動の集大成写真集「水俣事件」　Newstweet

桑原史成さん活動の集大成写真集「水俣事件」　　

（更新日：2014-01-28 12:45）

桑原史成（しせい）さん（７７）は

水俣病患者やその家族の撮影を半世紀以上続けている写真家です。

今回、その活動の集大成ともいえる写真集『水俣事件』（藤原書店）が出版されました。

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初期の患者の姿から昨年５月に営まれた犠牲者慰霊式まで白黒写真で振り返る内容で、桑原さんは「８０歳まで撮り続けたいが、写真集は最後になるかもしれない」と話している。

水俣病が公式に確認されたのが昭和３１年とのこと。

桑原さんはその４年後の昭和３５年に現地を訪問し、渦中の人たちに夢中になったと当時を振り返られています。

写真集は初めて撮影したフィルムに収められ、５２年に７７歳で死亡した溝口チエさんの姿で始まる。次のページは、亡くなった溝口さんの患者認定を求め続け、昨年４月の最高裁判決で勝訴した次男の秋生さん（８２）の笑顔。今も続く患者認定の問題を冒頭に凝縮した。このほか、男性の硬直した指や、寝たきりになった少女の瞳など、患者や家族を中心とする約１２０枚を収録。慰霊式で民主党の細野豪志元環境相と自民党の石原伸晃環境相が並んで座る写真もあり、最近の政権交代劇を「何も変わらず」と皮肉っている。

桑原さんは「患者の体も、死んだ人も元には戻らない。悲劇の解決なんてあり得ない」と言っています。

初期に撮った胎児性患者らも既に５０～６０代。

「写真は、生き証人である患者の苦しみを代弁する。今後も悲劇を語り続けていくだろう」と話されています。